バランス調整について感じ、考えたこと

ふと、TLを眺めてると冬季オリンピックを見てる人より、Rageやスプラ甲子園を見てる人の方が多いんじゃないかと勘違いしてしまいます。みなさん4年に1度しかないオリンピックの方が絶対"レア"感ありますよ。まあどっちも面白いのでぼくは"全部"見ます。あと、明日のシャドバの調整楽しみです。

 

さて今回はゲームのバランス調整についてダラダラ書いていきます。

最近のオンライン対戦ゲームでは、定期的に"調整"という形で何らかの弱体化、強化が行われるのが当たり前になりつつあります。

ここでは様々な方がブログや放送、その他で発言したことを自分なりに考えてみます。

こいつおかしい、気持ち悪いと思ったらすぐにブラウザバックしてください。

 

 

 

 

chomosh.hatenablog.com

 

バランス調整などという答えのない曖昧なものに対して、商売であるがゆえに限られた期間内で決断する必要がある以上、ある程度主観が入ってしまうのは必然です。調整がうまくいくかどうかは運の要素もありますから、開発チームの能力が極めて高い場合を除き、「このカードが弱いと思うから強くしよう」と「今食ってたポテトチップスがうまかったからこのカードを強化しよう」は大差がない、と僕は考えています。

この状況に伴って、SNSで特定の強すぎる/弱すぎるキャラクターやカードに文句を言いまくり人々を扇動し、開発者に圧力をかけて調整させるのが最近の対戦ゲームの攻略なのではないか、と揶揄されるまでに至っています。簡単に調整できるようになったからこそ、「SNSでうるさく言われるから調整しよう」と開発者に思わせるのが重要になったというわけです。

事実そういう側面はあり、ゲーム会社としても騒がれまくってレビューに★1つをつけられまくるのは勘弁願いたいでしょうから、SNSでめちゃめちゃに言いまくってバランス調整を狙うという立ち回りは、調整前提の対戦ゲームの攻略としては極めて理にかなっています。

色んな対戦ゲームを見てきて思うのは、そういった★1レビューを回避するためだけのヘイト調整をせざるを得ない世の中になってしまったな、ということです。これは開発者の暴走を止める側面もあるかもしれませんが、同時にゲームをさほど(少なくとも開発者より)理解していない人間の意見を採用せざるを得なくなってしまった、ということでもあります。ゲームのバランスとは無関係な“ゲームのバランス調整”が必要になってしまったんです。

 

一理あるどころか50里くらいありそうな意見です。ソーシャルゲームのレビュー欄ってだいたい荒れてますよね。「〇〇はバランスを壊してるから弱体化しろ」「△△では全く勝てないので強化してほしい」などプレイヤーの意見が多く書かれてますね。またSNS特にツイッターなんかでも同じようなツイートをよく見かけます。

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Googleplayで僕がよく遊んでいるシャドウバースというゲームの評価欄を見てみると、全体評価3.5、で機能の評価(僕自身Googleplayでこの"機能の評価"をどのように行っているかわかりません)ゲーム性3.0、グラフィックス4.0、操作性3.3(各5満点)と評価されています。これだけ見るとこのゲームはゲーム性があまり良くないゲームなのかなと感じてしまうかもしれませんね。ちなみDQRは全体評価が3.1でゲーム性3.3、グラフィック3.6、操作性3.1でした。HSは全体評価4.4、ゲーム性4.3、グラフィック4.4、操作性4.3でした。このことから今からソーシャルカードゲームを始めるならHSがもっと良いのかもしれませんまあこのレビューを参考にすればですけどね

まあ個人的にはこのレビューやSNSの書き込みを見て調整者が調整してるようには考えにくいのかなと思います。調整者しか知らない神視点故の勝率や使用率などを見て決めているでしょう。ただプレイヤーのヘイトを減らす"ヘイト調整"になっているというのは事実ですね。(某カードゲームのナーフ調整について調整者のコメントにストレス云々が書かれていたのを思い出しました。)

 

 

 

www.twitch.tv

(14:50~から調整についての話をしています)

格闘ゲームの調整の歴史を語りながらバランスが取れていたゲームよりバランスが取れいないバランスが破綻したゲームが流行ったと解説しています。バランスが破綻していたゲームのプレイヤーはバランスが破綻したゲームの新作(ゲームバランスが取れている)が出てもバランスが破綻したゲームをやり続け、プレイヤーは新作に移行しなかったと語っています。

そこから「プレイヤーはゲームの全体のバランスや勝ち負けを気にしていない

「(ゲームの重要なポイントとして)遊んでいて気持ちが良いかどうか。むしろバランスの悪いゲームが流行っている

と発言しています。

 

確かに気持ち良さはゲームおいて大事かなーと思います。OTKしたら気持ちいいし、アグロでコントロール轢けたら気持ちいい。逆にコントロールデッキでアグロ完封したら気持ちいい。ただ、これは定期的に調整がされないが故の考え方なのかなとも感じてしまいます。シャドウバースなんかでは月に1回ほぼ必ず何らかの調整が行われるのに対して、格闘ゲームってソーシャルカードゲームと比較するとすぐに調整されないイメージがあります。(むしろその点が良い点であり、その環境をやり込める要素になるので僕はすぐに調整されないゲームの方が好きです。)またシャドウバース、 DQR、HSにしても新要素の追加として定期的にカードが追加されています。ただ面白いことにシャドウバースやDQRはGoogleplayのレビューで見るとバランスがあまり良くないゲームなので流行っているとも捉えれてしまうんですね。これは面白い。

 

 

 

TCGではバランス調整について開発者がこのように語っています。

mtg-jp.com

楽しさの総量という1つの大きな概念に大抵組み込まれています。詳しく説明しますと、人間ができる最も楽しいものを1とするなら、0は中間、そして-1は人間が考えうる最悪の時間で、我々は2人の人がマジックのゲームをプレイして合計した点数が2に近づくことを目標としています。この点数を打ち出すことはとうてい合理的な目標ではないのは明らかですが、単にカードのバランスを取れるようにするだけではないデベロップの決定について説明してくれます。

 どのソーシャルカードゲームにも必ず調整者側は何を思って調整しているのか意思表明しているはずです。その意思を受け取ってプレイヤーとしてプレイしていくのがいいのかもしれませんね。また調整する側は調整の意図がプレイヤーにしっかり伝わるような調整や調整についての思いを伝えることが大切になってきますね。さすがマジック。バランス調整の概念がわかりやすい!

 

 

さて最後に"オンラインゲームにおけるゲームバランスの調整手法の提案"

という情報処理学会の文献を読んでみました。

(URL貼れなかったので読みたい方は各自で検索して読んでください)

情報処理学会って面白い研究してるなーととても興味を持ちました。この文献ではオンラインゲームでは常にプレイヤーを満足させることが大切であり、プレイヤーをより多く満足させるゲームほどゲーム自体の寿命が長く、ビジネスとして動いていくとされています。そのためより多くのプレイヤーに遊び続けてもらうためには常に面白い体験を提供していかなければならないとしています。研究対象はパズドラやモンスターストライクといったステージクリア型ゲームを対象にしています。ここではチクセントミハイが提唱したフロー理論を用いてゲーム内の"面白い"を定義し、オンラインゲームのログを統計分析した難易度ボラタリティグラフというグラフを使ってステージの難易度を分析し、調整していくことが良いのではないかと提案しています。

(フロー理論は心理学ですが、難易度ボラタリティグラフは新しい分析方法みたいです。興味のある方は調べてみてね。)

このようにソーシャルゲームにおけるバランス調整には"正解"はまずないですが、より"正解"に近づけるために、より多くのプレイヤーを満足させるためになんかの分析や理論を用いて調整していくことも今後必要になっていくのかもしれません。もちろん今まで調整している調整者もなんらかの分析は間違いなくしていると思います。まあ分析と言ってもそのゲームに適した分析をしていくことが大切なのかもしれませんね。

僕自身何かの調整をするわけでもないし、今までソーシャルゲームの調整についての歴史もないわけですから"これが正解"なんてものはないのかなと思いました。

 

ここまで読んでくださりありがとうございました。